国会質問
第164回通常国会での西本の国会質問を掲載しました。
 
平成18年2月24日文部科学委員会
 
平成18年3月1日予算委員会第5分科会
平成18年4月14日文部科学委員会
 
平成18年6月6日決算行政監視委員会第2分科会
 
 
 
 

164--文部科学委員会-2号 平成180224

 

○西本委員 大臣の所信表明について質問させていただきます。

 まず最初に、義務教育費の国庫負担制度についてでございます。

 今国会から文部科学委員会の所属となりました西本勝子でございます。保育園で申しますとひよこ組でございますので、大臣初め関係各位の皆様、どうかよろしくお願いいたします。

 私は、高知県日高村 の村会議員として、地方教育行政を学校現場あるいは委員会の側面から見てきたところですが、昨年九月からは国会議員として、教育水準を保障している国の立場や中央教育審議会の動きなどを勉強させていただきました。

 今、地方分権が進み、構造改革が進む中、経済面では都市と地方の格差が問題となり、対応策が求められているわけでありますが、国の基本施策である教育においては、文部科学省を初め関係者の努力により、地域格差が生じないための制度が確立され、それが守られていることにいたく感心しているところであります。

 昨年の十一月、三位一体改革における義務教育費国庫補助負担については、大臣就任直後にもかかわらず、大きな判断から、御承知のとおり、小中学校の教員給与費を二分の一から三分の一に引き下げる結論に達したところであります。これは、地方六団体の意向、政府・与党の暫定案、中央教育審議会の結論、文科省の言い分と、それぞれの顔を立てた超軟着陸であったと思うわけですが、この案に決着したことについて、大臣の御所見をお伺いいたします。

 

○小坂国務大臣 西本委員は、地方の議会、そして企業の経験、いろいろな幅広い経験の中から文部科学行政に携わっていただくことで、いろいろな示唆に富んだ御質問をいただいて、期待をいたしているところでございます。

 ただいまいただきました義務教育費国庫負担制度の取り扱いにつきましては、昨年の十月二十六日に中央教育審議会の答申をいただきました。その中で、「新しい時代の義務教育を創造する」という答申でございました。この答申の精神をしっかり踏まえた上で、小泉内閣の一員としての三位一体改革に対する取り組み、これも確実にやらなければいけない、そして、義務教育費の国庫負担制度の意義というものもしっかりこれを貫いていきたい、そんな思いの中で、それぞれの意見をお持ちの皆さんをずっと回りまして、真摯に耳を傾けさせていただいて、それぞれの御主張を十分に聞かせていただきました。

 その中で私が思いましたことは、現場の教員の皆さん、学校関係者の皆さんにこれ以上の不安を与えてはならない、迅速にこれは処理していかなければならないということで、十一月の末までにはこの結論を得なければいけないだろうという一つの自分なりの方針、目標を立てて、そして意見を聞かせていただきました。

 そこで、最終的には、ただいま委員から御説明を賜りましたように、割合は二分の一から三分の一にパーセンテージが落ちたけれども、下げることにはなったけれども、あくまでも義務教育費の国庫負担制度は堅持するのである、そして国と地方の負担によって義務教育の教職員給与費の全額を保障するという枠組みは維持するんだ、これを貫かせていただいて、両方の皆さんに何とか御理解をいただきたい。また、これまたそういった意味での御説明をして御理解を得る努力をしたところでございまして、言ってみれば苦渋の選択の中ではございましたけれども、何とか関係の皆さんの御理解をぎりぎりのところで得られたのではないかと。

 そして、この三分の一という一つの数字は、今後この形を維持していきたいという気持ちも貫いて表明をさせていただいたところでございまして、諸外国のあり方も含めて、与党におけるいろいろな検討等もこれからしっかり踏まえてこの問題に取り組んでまいりたいと存じます。

 

○西本委員 大臣のこの結果に至るプロセスをお聞きいたしまして、本当に頭が下がる思いがいたします。どうかしっかりと頑張っていただきたいと思います。

 次に、義務教育費国庫補助制度は、大臣の御答弁であったように、義務教育の教育水準というものを全国いかなるところでも一定水準以上のレベルで守ることができたと思うわけでして、この制度は、現時点では守らなくてはならないし、当然必要であると考えているところであります。

 ところが、今後さらに地方分権が進み、構造改革特区や地域再生計画において地方への教育費の移譲の声が高まったり、また道州制を視野に入れての教育の分権型を求める動きがあった場合、仮定での質問で恐縮でございますが、大臣は、この義務教育費の国庫負担制度を変化させるおつもりがあるのかどうかについてお伺いいたしたいと思います。

 

○小坂国務大臣 今御質問にありましたように、今後分権が進んでそれぞれの地域において特色のある教育というものがあってもいい、そのようには思うわけでございます。したがって、教育の内容については、それぞれの市町村、学校の裁量権、責任を拡大していく、そういうことの方向性は一つあると思っております。

 しかしながら、義務教育はどの地域にあっても、地方の財政力の差があっても、教職員を確保するための負担の制度というのはやはり国が保障していくべきだ、基本的なあり方というのは、その枠組みは国が規定していくべきだと思っておりまして、義務教育の機会均等と水準維持を図るために不可欠な基盤である、そう思っております。

 したがって、今後地方分権を進めるに当たっても、義務教育の機会均等と、そして水準維持を国の責任において行うということにおいて変わりなく、義務教育費国庫負担制度の財源保障機能といったものは今後とも必要である、このように認識をいたしておるところでございます。

 

○西本委員 ありがとうございます。

 私は、国の基軸ともいうべき教育は国がきちんと守っていくべきであると思っていますので、大臣のお考えと一緒であるということを確認いたしまして、次に移らせていただきます。

 次に、就学前教育についてお伺いいたします。

 ある県で、現場の抱える不登校などの問題に教育改革という旗印を立てて対応してきたところ、数年が経過したところで、委員会も現場もいろいろな手を打ったがどうしても校内暴力や授業放棄、不登校などの問題が解決できない、すべて検証したが解明できない、どうも原因は小学校以前の時期にあるのではないかという発言があって、責任を投げかけられた保育現場は大層憤慨したことがありました。

 この県は保育王国と呼ばれるだけに、就学前児童の大多数は保育園通所者でありますが、保育所と小学校との連携はほとんどとれなくて、学校問題の根は保育園にあるかもしれないという発言が出てきたものと考えています。

 そこで、予算案を見てみますと、「就学前の教育・保育を一体として捉えた一貫した総合施設の本格実施」とありまして、概要を見てみますと、「就学前の子どもに関する教育及び保育並びに子育て支援事業の総合的な提供を行う幼稚園、保育所等の認定制度を設け、十八年度から本格実施する。」とあります。

 この総合施設は認定こども園として今後設置していくことになると思いますが、平成十七年度にはモデル事業を実施しています。このモデル事業での成果についてお伺いいたします。なお、平成十八年度十月から本格実施する予定でありますので、よい方向であったと思うわけですが、問題点もあったらお示しください。

 

○有村大臣政務官 日ごろから教育問題や地域間格差の是正に取り組んでいらっしゃる西本勝子委員から御質問をいただきました。

 総合施設モデル事業は、本年度、全国三十五地域で実施されております。そのうち幼稚園で実施されたものは、ゼロ歳から二歳児の乳幼児が身近にいるという新しい環境ができたことに伴い、幼児教育の基盤としての乳幼児期の大切さを職員、先生方が実感できたという評価が報告されております。

 また、保育所で実施されたモデル事業については、従来の午前午後を通じた八時間程度の利用を行う子供たちに加えて、新たに午前中のみの利用をする子供たちを受け入れることに伴って、共通する時間の活動内容を組み立てることが必要になりました。これを通じて教育、保育の関係のあり方を再認識し、プラスになったという報告も受けております。

 また、地域に開かれた子育て支援事業については、親子の集いの場の提供や子育て相談などの事業が行われておりますけれども、保護者からは、同じ年齢の子供たちやほかの保護者と接することができるいい機会であり、生活にめり張りがついたなど、プラスのコメントが出てきております。しかし、実施回数をまだまだふやしてほしいという声が聞かれているのも事実でございます。

 問題ということですが、一方で、ゼロ歳から就学前までの発達の連続性に配慮した教育と保育のあり方、関係性や、幼稚園を活用したゼロ歳から二歳児の受け入れのあり方などについては、ノウハウの蓄積やあるいは安全面の徹底管理など、これからさらに充実していかなければならない課題があるというふうに認識をしております。

 こうした評価、プラスの面、マイナスの面、双方の結果を十分に踏まえて、制度化のために必要な準備を進めてまいりたいと考えております。

 以上です。

 

○西本委員 有村先生からよい方向とそれから問題点をお示しいただきまして、ありがとうございました。私も、現場の先生のお声を聞いておりますと、そのとおりでございましたので、ぜひとも、よい方向であった点は十分伸ばしていただき、問題点はそれなりの対応を考えていっていただきたいと思います。

 この総合施設、認定こども園でありますが、たった一年の試行期間で次の年に本格実施というのでは余りにも簡単に事が運び過ぎて驚いているところですが、そもそも、総合施設の相手側、保育所の所管である厚生労働省とのすり合わせはどうなっているのでしょうか。また、認定こども園で認定基準を定める都道府県や利用手続にかかわってくる市町村への周知等はどうなっているのでしょうか。お尋ねいたします。

 

○銭谷政府参考人 就学前の教育、保育を一体としてとらえた一貫した総合施設、認定こども園でございますけれども、この構想につきましては、平成十六年三月に閣議決定をされました規制改革・民間開放推進三カ年計画において定められております。

 平成十六年度中に基本的な考えを取りまとめた上で、平成十七年度に試行事業を実施し、平成十八年度から本格実施を行うということで、今回はこのスケジュールを踏まえて検討を進めてきたところでございます。

 厚生労働省との連携でございますけれども、文部科学省の中央教育審議会幼児教育部会と厚生労働省の社会保障審議会児童部会の合同の検討会議というものをつくりまして、そこにおいて制度のあり方を検討し、合同で平成十六年十二月に「審議のまとめ」を取りまとめるなど、密接に連携をとってきたところでございます。

 また、今回のモデル事業の実施に当たりましても、両省で一本の実施要綱を策定いたしまして、連携して実施に当たっているところでございます。本格実施に当たりましても、両省で共通の窓口を設置するなど、さらに連携を進めていきたいと考えております。

 また、地方自治体に対しましても、機会をとらえて制度化に向けた検討状況の説明に努めてきたところでございますが、本格実施に向けて十分な準備期間がとれるよう法案の策定において配慮するとともに、制度の施行までの期間において十分な情報提供を心がけてまいりたいと思っております。

 

○西本委員 文部科学省と厚生労働省と一定協議をしているということ、また市町村に対しても十分な情報提供をしていくということでございますので、答弁を踏まえて次の質問に移らせていただきます。

 私は、この質問の前段に述べたように、保育所で申せば、就学前が厚生労働省、小学校に入ったら文部科学省で、現場で申しますと、就学前が市町村の福祉事務所か福祉課、小学校に入ったら教育委員会という流れに疑問を持っておりまして、この総合施設認定こども園の今後に注目しているところであります。

 この認定こども園の設立を契機に、就学前も就学後もできれば文部科学省が所管すればいいと考えていますが、それにはまず幼保の一元化が必要であります。

 私は、幼稚園と保育所の持っている機能を一体化することはそれほど苦労はないと考えています。なぜなら、保育所の保育目標は、年齢に応じた基本的生活習慣を身につけることであり、クラス単位の集団生活と学習をあわせて実施している保育所がほとんどで、幼稚園の学習要綱とも合わせやすいものと思うからであります。しかし、難しいのは、保育士、教師の資格、給与など身分問題と運営上の支弁費の問題などでありまして、財政面の問題を考えると容易ではないのかなと思うわけであります。

 しかし、いずれ完全一体化すべきであると考えますが、この場合、文部科学省と厚生労働省のどちらの方が主導権を持って取り組み、また、いつごろを目途に幼保の一元化を果たそうとお考えでしょうか。所信の一端をお聞かせください。

 

○銭谷政府参考人 幼稚園と保育所は、目的、役割、それぞれ持っているわけでございます。ただ、幼稚園と保育所は、ともに就学前の幼児を対象としているところから、先ほど来申し上げておりますように、厚生労働省と文部科学省は、連携を密にして、幼稚園と保育所の連携を推進してきたところでございます。

 今、幼児を取り巻く状況を考えたときに、やはり人間形成の基礎が培われる幼児期の教育の重要性というものはますます高まっていると思っております。一方でまた、社会の変化に伴う保育の必要性ということ、これもまた要請をされているというふうに思うわけでございます。そういったことで、今回、就学前の子供の教育及び保育を一体としてとらえた新たなサービス提供の枠組み、そういう機能を持つものを総合施設ということで、その実現のための取り組みを今進めているわけでございます。幼児期の子供たちの教育、保育について、双方連携した一歩を踏み出すというふうに私ども、受けとめているわけでございます。

 今後とも、幼児教育の重要性、保育の必要性を踏まえまして、就学前の子供の教育、保育の充実が図られますように、文部科学省としては、厚生労働省と適切な連携を図って、まずはこの認定こども園という機能の充実に努めていきたいというふうに考えているところでございます。

 

○西本委員 局長の御答弁のとおり、この問題は、長い間にわたった経過もあり、作業も多岐にわたることと思いますので、ぜひとも格段の御努力をお願いしたいと思います。

 平成十五年に少子化社会対策基本法が制定されました。私は、この法律の前文ほど立法の重みを訴えているものはないと思っています。ところが、どうもこの法律についてまだまだ執行の歩みが遅いのではないかと思い、あえて質問をいたします。

 この法律の前文では、我が国の急速な少子化の進展は、有史以来の未曾有の事態に直面しているとして、我々に残された時間は極めて少ないとあります。そして、第十一条の規定は、幼稚園と保育所の総合化を促しているところであります。

 法の趣旨に沿えば、もう少しスピード感を持って幼保の完全一元化に取り組むべきではないかと考えますが、大臣の御所見をお伺いいたします。

 

○小坂国務大臣 委員が御指摘のように、幼稚園と保育所、それぞれのニーズに従ってその役割を果たしてきているわけでございますけれども、しかし、私どもが重視すべきは、子供の視点、そして多様化する、就学前の子供を抱えているその保護者の視点に、教育、保育のニーズに対応するということが必要でございまして、そのための適切、柔軟な対応ができるような枠組みをつくることが必要だ、このように考えております。

 今御指摘のように、スピード感を持って取り組むことが必要な時代でございます。新たな枠組みを制度化するための法案を今国会に提出を予定しておりますが、この整備に向けて、今後とも、厚生労働省と連携を強化し、そして、この施策を着実に推進する中で、就学前の子供の教育、保育のニーズに適切に、またスピード感を持ってこたえられるように努力をしてまいりたいと存じます。

 

○西本委員 大臣の御答弁に子供の視点、保護者の視点ということがございましたが、どうかこれをベースに、強力なリーダーシップを持って法案提出に努めていただきたいと思います。

 私は、先ほど申し述べましたとおり、幼保の一元化を図り、幼児教育の一本化と申しますか、連続性が必要だと考えております。省内では、認定こども園とは別に幼稚園の義務化が論じられているとお聞きしますが、この問題はどのように進んでいるのでしょうか。お伺いいたします。

 

○有村大臣政務官 人間形成の基礎が培われる幼児教育については、極めて重要だと実感を持って、痛感をしております。

 文部科学省としては、希望するすべての幼児に対して質の高い幼児教育の機会が提供されるよう努めているところでございます。また、就学前の子供やその保護者の多様化するニーズに対して適切かつ柔軟に対応ができるよう、厚生労働省と連携をし、幼稚園や保育所といった施設類型にかかわらず、適切な幼児教育、保育の機会等を提供するための新たな枠組みを制度化するための法案を本国会に提出することを予定しております。

 お尋ねを賜りました幼稚園の義務教育化につきましては、文部科学省としては、そうした方向で検討を行ったり方針を固めたりしている事実はございません。幼児教育のあり方については、学校教育制度の根幹にかかわるもので、国民の幅広い理解を必要とする問題であるという認識をしておりますため、国民的な議論を踏まえて考えていくものと感じております。

 以上です。

 

○西本委員 どうも私の認識が誤っていたようで、申しわけございません。

 次に、青少年の健全育成についてお伺いします。

 次の世代を担う青少年の健全育成は、すべての国民の願いであり、自民党のマニフェストでも、青少年健全育成基本法の早期成立を掲げています。

 しかしながら、どうでしょう。青少年が育つ社会環境は、相当荒廃している状況も見受けられ、事によっては大人社会の責任として有害環境を取り除かなくてはなりません。

 予算案には有害情報対策モデル事業が計上されていますが、これはどのような事業でしょうか。

 

○素川政府参考人 お答え申し上げます。

 御質問の有害情報対策モデル事業、これは平成十六年度より実施しているものでございますけれども、有害図書類の区分陳列でございますとか販売時の年齢確認徹底などを販売店に申し入れるということなど、地域の大人が子供を見守る取り組みでございますとか、インターネット上におきますコミュニケーションマナーなどにつきまして青少年とその保護者が学ぶ講座を提供するとか、また、地域での取り組みを推進する機運を醸成するためのフォーラム、シンポジウムの開催、こういったことを行うことによりまして有害環境から子供を守るための地域での推進体制を整備しようとするものでございます。

 

○西本委員 ありがとうございました。

 済みません。時間がせっておりますので、急がせていただきます。

 今日の高度に進んだ情報化社会で、子供の有害環境を除去することは、物理的操作では難しいことであります。

 有害情報対策モデル事業での成果をもとに事業を拡大、展開していくことも大切であります。

 また、各都道府県では、青少年保護育成条例などにより、事件による罰則など、対応もとれる形になっておりますが、包括的な処理は無理と思われます。私は、どうしても有害環境を全面的に取り締まれる体系的な法整備が必要ではないかと考えます。

 大臣、今申し上げましたような視点を持って、青少年の健全育成に対する基本理念や方針を明確にした基本法の制定は、どうお考えでしょうか。

 

○小坂国務大臣 西本委員の御指摘の考え方、そしてお気持ちは理解できるところでございます。

 このことにつきましては、まず、日本では表現の自由というのが常にこの議論の中に出てまいります。この表現の自由というものを尊重しつつ、しかしながら、有害環境の除去ということも同時に進めなければいけない。そのためには、やはり国民レベルの合意というものが形成されないと、なかなか実効が上がってまいりません。そういう意味で、国民的な合意の形成にさらに努めるとともに、立法府を含めた関係各方面の議論を踏まえて、政府全体で検討すべき事柄だと思っております。

 このことにつきましては、与党において平成十六年に議員立法の提出の動きがございましたけれども、現在、そのような具体的な形であらわれてきておりません。私ども政府の方としては、平成十五年十二月に青少年育成施策の大綱を策定いたしておりまして、文部科学省では、大綱に基づいて、地域及びPTAの取り組みの促進や関係業界への自主規制の要請など、有害環境対策に積極的に取り組んできたところでございまして、今後とも、議員立法として検討されているという動きも見ながら、健全育成の環境の充実に努力をしてまいりたいと存じます。

 

○西本委員 予算案では、道徳教育の充実として、児童生徒の心に響く道徳教育推進事業が計上されておりますが、ぜひ広めていただきたいと考えるところでありまして、お聞きしたところによりますと、事業規模は各県一事業ということですが、今後さらに事業量をふやしていくお考えがないか、お尋ねいたします。

 

○銭谷政府参考人 お話のございました児童生徒の心に響く道徳教育推進事業は、四十七都道府県で、すべての都道府県で実施をしていただいております。参加している学校は、延べで三百三十九校でございます。今後、この事業を、私ども非常に重要だと思っておりますので、このような事業につきましてはさらに推進を図っていきたいというふうに考えております。

 

○西本委員 ありがとうございました。

 時間が迫りましたので、最後に大臣に質問させていただきます。

 健全な青少年を育成するには、責任を持った国家と、大人たちが責任を持った社会と、よりどころになる家庭の三位一体が不可欠であると考えます。

 この国が責任を持つ分野で、私はどうしても道徳教育の拡充が必要であると考えますが、平成十五年に出された中央教育審議会答申を見てみますと、教育基本法の改正には教育の根本までさかのぼった改革が必要としていることから、当然、遅くない時期に見直しが検討されることになると思うわけですが、こうなった場合、大臣はこの中で道徳教育についてどのようなお考えをお示しになるおつもりでしょうか。お伺いいたします。

 

○小坂国務大臣 時間もないので、的確に、幾つかの御質問予定をまとめて答弁させていただきます。

 社会の形成者としての国民の育成のための教育という観点からしますと、規律ということ、それから人に優しい心を持つということ、そしてまた公徳心というものを持つこと、やはりこれは私は必要なことだと思っておりまして、今の教育の中で、決してこういった倫理、道徳教育をしていないわけではないわけでございますけれども、しかし、その結果が今日の社会の現象を招いているということにすれば、何らかの形でこういった道徳教育のあり方というものを見直していくことが必要だろう。それは、それを受けている子供たちがその必要性というものをみずから実感して、そしてこの社会の中でそういったものが必要なんだという認識をどう持ってもらえるか、この教え方といいますか、子供を取り巻く環境の中においてそれを認識させることが必要だ。その意味において、御指摘のように、家庭、地域社会、そして学校現場においてのそれぞれの教育、また取り組みというものが必要だと認識をいたしております。

 そういう意味で、今後さらに、公徳心の育成、また人に優しい心の涵養、こういった道徳全体の取り組みについて、私として学校の現場においてさらに努力をしていただけるように、いろいろな場を通じて訴え、また努力をして、また文部科学省としての取り組みを強化してまいりたい、このように思っております。

 

○西本委員 大臣の御答弁が私の考えと全く同じであることに意を強くいたしまして、質問を終わらせていただきます。

 どうもありがとうございました。 ページトップへ


 

164--予算委員会第五分科会-2号 平成180301

 ○西本分科員 自由民主党の西本勝子でございます。

 衆議院予算委員会は、多くの先人、先輩たちが殊のほか熱く万機を論じてきた大きな舞台でありまして、今後とも悠久の歴史をつくり上げていく、その一節を任されましたことに深く感謝申し上げ、ここに立たせていただいております。

 私は、昨年末、方向が定まりました三位一体改革の中の義務教育費国庫補助負担については、結果的には義務教育の水準を国が一定保障することが守られたわけでして、大いに評価をしたところでありますが、それでは、この義務教育前の子供たちの制度、つまり、子育て支援や幼児教育などがこのままでいいのかという点で、時間をいただきましたので質問をさせていただきます。

 少子化社会対策基本法を受けて制定されました次世代育成支援対策推進法ができたとき、私は地方の議会議員でしたが、やっとこれで国も本腰を入れて少子化対策を進めていくのだな、子育てに精いっぱいの若いお父さん、お母さんの助けになればいいね、そして子供たちが伸び伸び育ったらいいねと期待をしておりました。事実、市町村もニーズ調査をもとに行動計画を作成し、県も、また三百人以上常時雇用する事業主も一般事業主行動計画の策定を義務づけることとしておりましたので、エンゼルプラン、新エンゼルプランでは具体化しなかった事業などへの意欲と申しますか、子育て支援が進むものと考えていました。

 ところが、その後の政策では、まだまだスピードが上がっていないといった感じがするのであります。

 予算案では、次世代育成支援対策交付金として、子育て支援など、地方に交付しているわけでありますが、この交付金予算の算定根拠として、何をベースにして計上されたのか、そして、子育て支援に対するどのような思いが込められているのか、お尋ねいたします。事務方の方でお願いいたします。

 

○北井政府参考人 今お話のございました次世代育成支援対策交付金、いわゆるソフト交付金でございますが、これは、できる限り市町村の特性や創意工夫が生かせるような仕組みとすることを考えて、今年度から創設した交付金でございます。例えば、交付額の範囲内においては各事業への事業費の配分を市町村が自由に決定することを可能としておりますなど、自主性、裁量性が従来の補助金に比べて高くなるように配慮をしているところでございます。

 御質問の、何をベースに算定根拠としているかということでございますが、この交付金は、従来の取り組みに基づく所要額を念頭に、事業量や取り組み内容に応じましたポイントを設定して、個々の事業ごとの補助金のような申請ではなくて、市町村が策定する事業計画を総合的に評価した上で、計画全体に対して交付するようなものとなっておりまして、思いといたしましては、子育て支援事業を市町村が創意工夫を生かして総合的に大いに取り組んでいただいて、その充実、向上に力をより注いでほしいという思いを込めて創設したものでございます。

 

○西本分科員 局長の市町村に重きを置いているという点については本当にありがたく思いますので、次に移らせていただきます。

 実は、御存じのように、市町村行動計画は、次世代育成支援対策推進法では、たしか平成十六年度中には計画が完了しているはずでございます。私の地元でも聞いてみますと、ゼロ歳から小学校生までの保護者を対象として、幼稚園、保育園、小学校すべてに協力してもらい、入所外の親には郵送して、今までにない高い回収率でニーズ調査を実施し、これをもとに、民間の方々を多く入れた協議会で十分な検討をして行動計画を作成したと聞いております。

 厚生労働省は、この各市町村の行動計画で目標としている事業量は全国集計されていると思いますが、この行動計画の重みをどのように受けとめ、対応していくつもりですか。また、明年度予算案で、地方が計画している平成十八年度事業のうち、どの程度が実施可能とお考えでしょうか。御質問させていただきます。

 

○北井政府参考人 市町村行動計画は、今お話がありましたとおり、子育て中の御家庭に対するニーズ調査を行ったり、あるいは、子育て支援に関する幅広い知見をお持ちの関係者の皆様方の御意見を踏まえて各市町村が策定をされておる計画でございまして、私どもといたしましても、すべての市町村におきまして、つくられた行動計画の達成に向けて最大限の御努力をいただきたいというふうに思っているわけでございます。

 それで、国としても、そうした地方自治体の計画を踏まえて子ども・子育て応援プランをつくりましたけれども、今年度以降、国としてはそうしたプランに基づいて必要な支援を行っていきたいと考えているところでございまして、平成十八年度予算におきましても、それぞれの市町村におきます行動計画の推進に向けまして、ソフト交付金の充実、あるいは放課後児童クラブの充実、それから待機児童ゼロ作戦を初めとする多様な保育サービスの充実など、必要な予算を計上いたしまして支援をしていきたいというふうに思っております。

 

○西本分科員 私は、市町村の行動計画は策定段階で住民ニーズを十分把握しており、支援事業に対しての期待はかなり大きいと考えます。局長と意を同じくしているという点が確認されましたので、次の質問に移らせていただきます。

 この次世代育成支援市町村行動計画の事業内容で、学童保育などの小学校分を除くと、保育所分の事業メニューは、延長保育、夜間保育、一時保育、休日保育、病後児保育などが中心でありまして、これらの事業の経費の多くは人件費であることが想定されます。

 そこで心配なのが、国が予算化するに当たって、市町村行動計画の事業量に、厚生労働省の定めた保育単価の人件費を基礎として計算された場合は、どうもこの交付金だけでは市町村の実施主体は歳入不足となるおそれがあると考えますが、どうでしょうか、大丈夫でしょうか。大丈夫とするなら、その根拠をお示しいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

○北井政府参考人 延長保育、夜間保育、一時保育、休日保育などのいわゆる特別保育の補助金につきましては、確かに、保育所の基本のところの最低基準によります職員配置が適用される運営費負担金の対象とはしておりませんが、それぞれの事業の性質に応じまして、そうした最低基準の配置に準じて必要な職員の配置が行えるような水準の補助をしているものと認識をいたしております。

 ただ、一時保育につきましては、地方自治体の方から、市町村の利用児童数が全体として国が想定する標準的な利用児童数を上回っている場合に、その事業に必要な経費が確保できないという指摘を受けているところでございまして、そうしたところにつきましては利用人数に応じた配分ができるように、見直しを検討しているところでございます。

 今後とも、各自治体の声も受けまして、各市町村の行動計画の事業の実施に必要な予算を確保して支援をしていきたいというふうに思っております。

 

○西本分科員 細部にわたりまして御答弁、ありがとうございました。

 局長のおっしゃるとおり、私も、子育て支援のメニューは広く提案をして、子育て世代の方々が選択できることが必要だと考えていますので、そのあたりの御配慮をさらによろしくお願いいたします。

 さて、就学前における児童福祉の今後について、保育所問題をお伺いいたします。

 平成十七年度当初時点での幼稚園と保育所を比較してみますと、施設数は保育園が幼稚園の約一・五倍、園児数もほぼ同倍数でありますが、保育園がゼロ歳児から受け入れられていることを考えますと、全国的に見てみますと、就学前の児童はおおむね二分された形でこの二つの施設で対応していると言えますが、この分科会は厚生労働省ですので、保育所に限って質問します。

 保育所のうち、公立が一万二千百施設で九十九万人を受け入れ、私立が一万五百施設で百一万人を受け込んでおります。そうしますと、公立園の平均園児数は一施設八十一人、私立園の平均は九十六人となっています。私は、この園児数の差は、厚生労働省の定めている保育単価の保育士定数基準表に起因していると考えております。公立が小規模で、私立が比較的規模が大きいことについて、私は市町村の財政的な意図的なものが働いていると思っておりますが、厚生労働省はいかがお考えでしょうか。お伺いいたします。

 

○北井政府参考人 保育所の入所児童数の平均でございますけれども、公立保育所が八十二人であるのに対し、私立保育所は九十六人ということでございますが、一方で、定員数の平均は公立、私立ともに九十人程度となっております。

 このように、公立保育所に比べて私立保育所の入所児童数が多いのは、私どもの考えでは、都市部を中心とした保育需要の増大に対して、民間保育所が定員を上回る弾力的な受け入れを公立よりも積極的に行っていることによるものであるというふうに考えております。

 いずれにいたしましても、保育の実施の義務は市町村にございますので、各市町村が地域の実情に応じて適切な保育を実施されているものと考えております。

 

○西本分科員 御答弁ありがとうございました。

 次の質問に移らせていただきます。

 お答えがありましたが、現場の悩みはこうなっております。経営的には、経費などの支出額を児童保護費負担金の保育所への支弁費と保育料、延長保育などの補助金ですべてが賄えればいいのですが、実際は到底無理であります。特に、園児数が九十人を割り込み、小規模な保育所ほど保育経営は難しくなります。

 それは、厚生労働省が定めている保育士定数基準表にあります。この基準では保育士数を園児当たりで決めていますが、ゼロ歳児は三人で一人の保育士、一歳から二歳は六人で一人の保育士、三歳は二十人で一人の保育士、四歳から五歳は三十人で一人の保育士となっておりまして、一歳児や三歳児の場合は、発育の差が大きく、また、言語、生活能力の違った集団と接することから、結構きつい受け持ち人数となっています。

 この園児数を年齢区分ですべてぴったり受け込んで、人件費として保育士の加配をせず、かつ保育士の平均給料が月額十九万円程度である場合には、ほぼ赤字が出ないような経営ができるものと考えております。裏を返せば、安い給料の保育士で定数基準どおりの人数の園児を担当させ、休みの交代はできるだけ抑えるような運営をしていかないと成り立っていかないということであります。

 ですから、現場では、保育士定数基準の年齢区分で定めている人数を下回ったとき、混合保育を実施するわけです。学校の複式学級と違って、この混合保育には限度があります。なぜなら、学校や幼稚園はクラス単位の授業をすればいいのですが、保育園は、各子供の発達に応じて基本的生活習慣を身につけるという、いわばマンツーマンの保育をしなければならないことがあるからです。ですから、混合保育は保育士の力量と園児の発達ぐあいによっていろいろなクラス編制を考えるのですが、実に大変です。

 それでは、市町村が保育所に委託する時点で、国の基準どおりの園児数ですればよいとの考えがあります。それは、ある程度人口の多い市街地などは可能でありますが、集落の離れた地域などでは無理でありまして、国の基準では混合保育となるけれども、実際は少ない人数を受け持つ形で安全を担保し、おのずと小規模な保育園を多額の赤字覚悟で経営してきたところであります。

 ところが、国と地方を取り巻く税財政環境が変化し、公立保育園の支弁費が一般財源化となり、そして三位一体改革の流れの中で、自治体では、保育所予算に多額の一般財源を投入することができなくなり、今申しました小規模園を大規模園に統合して効率的な保育運営を目指し、かつ人件費、特に個人の給料を抑制するため、公立園から民間の園に移行しようとしています。

 ですから、今後、保育所は公立園から私立園となる傾向が強まり、一園当たりの園児数は平均で百五十人を超す規模まで大きくなることが予想されます。

 このように述べました一連の動きは、あくまで財政的な保育経営からの措置でありまして、決して保育現場が子供たちのためによくなるものとは私は考えておりません。

 私は、保育単価の見直し、特に保育士定数基準において混合保育計算を緩やかな計算とするとか、あるいは規模別加配を増員するとか、制度を創設し、小規模園にも支弁費が増額となるよう改正すべきと考えますが、そのようなお考えがありますかどうか、お伺いいたします。

 

○北井政府参考人 保育所につきましては、御指摘のように、家庭や地域とのつながりを保ちながら運営することが子供の健やかな育ちを支える上で重要であると考えております。

 こうしたことから、保育所運営費国庫負担金につきましては、子供一人当たりの補助単価を小規模な保育所ほど高くなるようにして、規模が小さくても適切な保育が行えるよう配慮しているところでございます。

 また、保育単価も、施設の規模や地域区分別に定めており、職員の勤務年数に応じた加算を設けておりますなど、きめ細かな設定をしているというふうに認識をいたしております。

 

○西本分科員 御答弁ありがとうございました。

 私は、現在の基準では小規模な保育園の経営はかなり難しいと考えておりまして、改正が必要と思いますので、次の質問でお聞きいたします。

 現在の構造改革の流れの中で、保育所も民間に移行することは大いに議論してよいと私は考えております。しかし、保育に欠ける児童措置については、現行児童福祉法では自治事務として入所決定、措置が義務づけられており、当然、保育に欠ける子供を家庭を補完して保育する、そして公の保育として安全と安心を守ることは市町村の責務であると考えます。

 それでは、民間保育所になったら安全と安心が守れないかといえば、そうではありません。現在のように自治体が責任を持っている限り、民間の保育所でもよいわけですが、民間の保育所が自治体の援助なく現行の保育単価だけをもって経営しようとすると、どうしても職員の体制や保育士の質という問題に至らざるを得なくなり、私は、安全と安心の保育が非常に心配されるところでありますが、このことについて局長の御所見をお伺いいたします。

 

○北井政府参考人 保育所運営費国庫負担金におきます保育単価は、児童福祉法に基づきます児童福祉施設最低基準により定めております職員配置基準と国家公務員の給与をもとに算定をいたしております。

 また、あわせて、保育単価は、先ほど御説明申し上げましたように、施設の規模や地域区分別に定め、また職員の勤務年数に応じた加算を設けるなど、きめ細かな設定をしているところでございます。

 さらに、財政事情のなかなか厳しい中ではございますけれども、保育所の多様なニーズに対応するための加算措置の充実なども図ってきているところでございまして、今後とも、安全、安心の保育所という観点からも保育対策のより一層の充実に努めてまいりたいというふうに考えます。

 

○西本分科員 局長の答弁の中に私が期待しておりましたのは、公の保育として安全と安心を守ることはとても大切なことでありますというフレーズがいただければよかったんですけれども、まあ了といたしまして、次の質問に移ります。

 私は、保育所のあり方につきましては、適正規模、できれば百人前後の園児数で、地域に密着した保育園が望ましいと考えております。通園バスで遠距離を送迎するのではなく、保護者や近所に住んでいる祖父母などが徒歩や自転車などで送迎するぐらいの区域に保育園があるのが理想です。そもそも保育園の園児は、地域の生活圏の中で、そこの文化や人々と接し、そして地域の人々に見守られながら育っていくことが始まりでしたし、この保育環境を保護者と協力して自治体は必死の思いで守ってきているところであります。

 今、地域福祉を考えるとき、今まで福祉の受け手であった者が担い手となって地域施策を展開しようとしています。当然、保育所においても、高齢者や家庭婦人ボランティアの方々などに、朝夕の送迎時の園での預かりや送り、季節行事のお手伝い、園内外の清掃活動などを担当していただき、地域密着型保育園であればできる地域力を活用し、創意工夫のもとで、少子化で児童数が減少しても小規模園を守りたいと考えている自治体は少なからずあります。

 が、しかし、私の調べた自治体は、地域密着型保育を守り、三十人ないし六十人規模の保育園が半数ほどを占めていることから、市の税収二十七億円のうち保育園に係る単独市費が約六億円、その六億円のうち保育士の人件費がほとんどであるという実態があります。このことは、今いかに小規模保育を運営することが難しいかをあらわしています。

 このようなときに、本年十月一日から認定こども園という名の施設が設置されようとしています。この施設は、幼稚園や保育園にかわる第三の施設でないということですから、しばらくは双方の機能を付加した形で試行されるものと思いますが、この試行期間中に、ぜひ地域密着型の保育園が残る可能性を視野に入れた検討を忘れないでほしいと思っております。

 三角形の面積は底辺が決まらなければできません。底辺は、私は地域密着型の保育園だと思っております。このことについて局長の御所見をお伺いいたしまして、時間はちょっと余りますが、私の質問を終わりたいと思います。

 

○北井政府参考人 我が国の就学前の教育、保育につきましては、幼稚園と保育所により担われてきているわけでございますが、近年、今もお話がありましたように、少子化によりまして、特に地方を中心に幼稚園、保育所別々では子供集団が余りにも小規模化してしまって、子供の育ちに必要な集団活動の機会が得られないというところまで至っているという事態も生じていることは事実でございます。

 今回、いわゆる認定こども園法案を今国会に提出させていただくべく今準備を進めているところでございますが、この認定こども園は、こうした地域のニーズに柔軟に対応できるように、あくまでも新たな選択肢の一つとして制度化をするものでございます。したがいまして、地域のお考えを無視して、すべての幼稚園、保育所を認定こども園に統合するものではありませんし、例えば小規模な保育所も含めて、認定こども園となるか否かはあくまでも自治体や施設の主体的な選択ということになりますので、御懸念はないと思いますし、また懸念がないようにしていきたいというふうに思っております。

 

○西本分科員 御答弁ありがとうございました。

 

○根本主査代理 これにて西本勝子君の質疑は終了いたしました。  ページトップへ

 


 

 

 

164--文部科学委員会-13号 平成180414

 ○西本委員 おはようございます。自由民主党の西本勝子でございます。本日は、質問の時間をいただきましたこと、関係各位の皆様に感謝申し上げます。

 さて、もうすぐ端午の節句が参ります。私の出身地高知県では、こいのぼりとあわせて、のぼり旗、フラフを立てるのが習慣で、初節句のお家では、今ごろからのぼりを競うように立てたものです。のぼりは支柱が高さ十メートルを超えることから、三本、五本、十本と立てるとなると、相当の人力が必要となってきます。隣近所、知人たちが助け合っての作業ですが、いわば結いのようなもので、大人たちみんなが、地域の子供たちの成長を喜び、見守ってきたことでした。また、のぼりは、立ち上げといって、小学校入学時まで毎年立てる習慣でしたから、村じゅうあちこちに林立しておりまして、のぼりが凜と立ち、たなびく姿から、不思議と多くの人たちが力をもらっていたような気がいたします。

 ところが、最近、めっきりのぼりが立てられなくなってしまいました。ゴールデンウイークに入ってこいのぼりを三、四匹泳がす程度で、のぼり立てのような、たくさんの人力を必要とする作業をしなくなったのです。寂しい思いがしますが、何より、地域の大人がかかわることで、昔からあった地域力と申しますか、子供たちを見守り、育てるという力量が落ち込んでいることがとても心配であります。

 加えて、地方の財政力の低下から、自治体の超過負担額を必要とする地域密着型の保育園も経営が難しく、統廃合されている現状を考えますと、安全で安心な公の制度の確立がぜひとも必要であることを踏まえて、質問に入らせていただきます。

 当委員会に付託されておりますこの法案の認定こども園につきましては、就学前の教育、保育、子育て支援の総合的な提供という説明があっております。これは、現下の子供を取り巻く環境や子供の育ちの変化に対応するためには、以前から文部科学省、厚生労働省の両省の壁を越えた新たな制度設計が求められていたものであり、この法案整備により、ようやく幼保の連携が図られ、次世代育成支援対策と相まって、就学前の子供はいろいろな制度の適用を受けられることとなります。子育て支援という観点からも、大いに評価できるものと認識しております。

 ここに至った中には、幼稚園、保育園の現行制度の限界もあり、やっと両方の省庁が一歩歩み寄った形ですが、就学前の〇歳―五歳の幼児教育全般ということになりますと、まだまだ多くの課題を残していると思いますので、それらの点について順次お願いいたします。

 まず、この法案提出までの経過は、平成十六年五月から、中教審幼児教育部会と社会保障審議会児童部会の合同の検討会議で取りまとめられ、平成十七年度になって、総合施設モデル事業評価委員会において、試行事業の評価結果を踏まえて制度設計されたとなっています。この認定こども園制度が幼児教育政策の新たなスタートでありますが、従来なかなかまとまらなかったこの問題がこのたび法案化されたことについて、まず大臣の御所見をお聞かせいただきたいと存じます。

 

○小坂国務大臣 西本委員の今のお話を聞いておりまして、ああそうだなと、自分の子供のころを思い出しておりまして、こいのぼりがたなびく姿を見て、当時はまだ家も立て込んでおりませんでしたから、自分は三番目、末っ子でしたから、一番小さいのが自分のこいなんだな。それがひもに絡まっていると、泳ぐように一生懸命ひもから外そうと努力したり、幼児ながらに自分も認めてもらっているというような気持ちをもらったり、いろいろな勇気を子供ももらい、また大人も、ああ、あの家には子供がいるんだな、元気に育てばいいなということで、地域の応援も得られたように思って、実感がこもったお話だなと思っておりました。

 そういった、幼児の健やかな成長を願う意味から、今般の法律案は、就学前の子供の教育、保育等に関する多様なニーズが出ておりますが、これに対応して、幼稚園そして保育所を通じて、就学前の子供に対する教育と保育、そして地域における子育ての支援を総合的に提供する機能を備える、そういう施設を認定こども園として認定する制度を設けることにしたわけでございます。

 子供が健やかに成長、育成される、そういう環境を整備する、そういう意味で提出をさせていただいたものでございますが、この認定こども園制度は、文部科学省と厚生労働省の両省が一体となって検討を行ってまいりまして、提案に至ったものでございます。また、両省の関係審議会が合同で検討を行うなど、広く学識経験者や関係者の意見を踏まえて制度設計を行ってきたものでございます。

 今後とも、子供の健やかな成長を第一に考えて、両省がしっかりと連携をして施策の推進に努めてまいりたいと考えております。

 

○西本委員 私、直前まで勤めていました地方の議会でさえも、内容によっては横のつながりがなかなか難しいことがたびたびございました。ましてや国レベルとなると大変な御努力が必要であったと思いましたが、大臣の御所見をお伺いいたしまして、改めて先輩議員や関係各位の皆様に敬意を申し上げまして、次の質問に移らせていただきます。

 次に、今後の就学前教育をさらに充実さすために、お伺いいたします。

 まず、現行保育園と幼稚園では、制度の上からいろいろな違いがあるわけですが、幼児教育という視点からどうしても検証しておかなければならない点は、小学校へのバトンタッチだと思います。保育園から入学した子供も、幼稚園から入学した子供も、同じスタートラインに立てることは重要でありまして、小学校に入学した後、今まで受けてきた保育園の保育内容と幼稚園での教育内容の違いが、小学校生活において子供の発達にどう影響しているかを検証されていますか。また、検証の結果、違いがあったとすれば、その結果をどのように保育園、幼稚園に伝え、検討してきたのかをお伺いいたします。

 

○銭谷政府参考人 幼稚園と保育所における教育、保育内容につきましては、従来から、文部科学省と厚生労働省が連携をしまして、三歳から五歳児について、幼稚園教育要領と保育所保育指針の内容の整合性を図ってきたところでございます。

 よく、幼稚園児と保育所児とで小学校入学後にどのような発達の違いが見られるかということにつきましては、いろいろな見方が言われているわけでございますけれども、一般性、実証性の高い研究成果があるというわけではございません。

 一般論として申し上げれば、むしろ、それぞれの園がその特色としている教育、保育活動の違いでございますとか、それぞれの子供の家庭環境、地域環境などの育成環境の違いによる影響もある、こう考えられるわけでございまして、一概にお答えすることができないわけでございます。

 ただ、大事なことは、ただいま先生からもお話がございましたが、幼稚園、保育所から小学校に入学しますと、これまでは体験や遊びを通して学ぶことになっておりました幼稚園、保育所の活動から、教科の学習が中心となる小学校の教育活動に入るということの戸惑いでございますとか、集団の規模の違いといったようなことも含めて、子供たちにいろいろな課題があるということは事実でございます。

 そこで、文部科学省といたしましても、幼稚園、保育所と小学校の接続ということが大きな課題だと認識をいたしておりまして、今、学習指導要領、幼稚園教育要領の改訂を進めておりますけれども、その中でも、こういった観点から、改善の方向性について御議論をいただいているところでございます。

 

○西本委員 ありがとうございました。

 今まで、幼稚園に比べ、保育園と小学校との間では、引き継ぎが余り密接に行われていない傾向があるのではないかと危惧いたしておりましたが、局長の答弁を踏まえまして、認定こども園の制度を充実ある制度にするためにも、入り口論として一番重要なポイントであると思いますので、さらなる充実を要望いたします。

 次に、二問目の質問と関連いたしますが、私は、小学校のスタート時において、保育園組と幼稚園組では、子供の生活とレベルに違いがあると考えています。それは、保育園は、園児個人と接して、基本的生活習慣に重点を置き、幼稚園は、クラス単位で、一定レベルの学習に重点を置いている、その特徴の差が出ているものと考えますが、そうだとすれば、実施しようとする認定こども園でそれらの修正は可能でしょうか、お伺いいたします。

 

○銭谷政府参考人 予定をいたしております認定こども園における教育、保育につきましては、集団生活の経験の年数に差のある子供がいるということとか、あるいは利用時間の長い子供、短い子供がいるといったようなこと、あるいは三歳から五歳児の共通の時間というのは幼児期の特性を踏まえた教育を行うことが必要だといったような、いろいろな、保育、教育の内容について、今後工夫をしていかなければいけないと思っております。

 それから、先ほども申し上げましたが、小学校教育との連携、接続ということも、認定こども園の教育、保育における大きな課題だと思っております。

 今後、認定こども園におきます教育、保育の質の確保のための指針を定める際には、幼稚園教育要領、保育所保育指針の内容や小学校教育との連携などについて十分考慮をして、考えていきたいというふうに思っているところでございます。

 

○西本委員 局長の答弁をお伺いいたしまして、若干安心いたしました。今後、運営する上で、指導的内容など、しっかり定めることをお願いいたしまして、次の質問に移ります。

 この認定こども園を考えるとき、〇歳から二歳という年齢層をどのように処遇するのか、どのような指導方針にするのかなどは、三歳―五歳児から考えると、やや蚊帳の外という気がいたしますが、将来、親の就労形態にかかわらず、すべての子供に幼児教育の機会を与えるとなった場合、身体や脳の発育、情緒の安定などからして、〇歳―二歳児の扱いは慎重に議論すべきだと考えます。

 そこで、〇歳、一歳、二歳児についての親とのかかわり方、育てられ方については、個別ケースではあっても、親と接している時間による発育状況などの検証が専門的な見地から必要ではないかと考えていますが、いかがでしょうか。そのような研究や取りまとめられたものがあるのでしょうか、お尋ねします。

 

○銭谷政府参考人 お話のございました〇歳、一歳、二歳までの間は、大人への依存度が高く、保護者など特定の大人とのかかわりが子供の発達の上で大変重要であると認識をいたしております。

 文部科学省が昨年行いました情動の科学的解明と教育等への応用に関する検討会の報告書を読みますと、〇歳から二歳の間では特に、大人に全面的に受け入れられているという愛着形成ということがその後の対人関係能力や社会的適応能力の育成のためには非常に重要であるという調査結果が出ております。また、ほかの調査結果を見ますと、家庭や保育サービスのケアの質が重要であること、保護者が固定せずに複数の家庭外保育を利用する場合には問題が生ずることといったような指摘もなされているところでございます。

 一方で、共働き世帯と専業主婦世帯では、子育ての不安感は専業主婦世帯の方が大きい、こういう調査結果もございます。家庭で育児をしている専業主婦家庭が抱える子育て不安への対応ということが必要ではないかと思うわけでございます。

 こうした点を踏まえまして、認定こども園の制度化による子育て支援の充実や、男女ともに教育、子育てに参加できる働き方の見直しなど、こういった施策を進めることによりまして、〇歳、一歳、二歳の子供に対する保護者の積極的なかかわりを促すことが必要であるというふうに考えているところでございます。

 

○西本委員 答弁の中に、報告書、そしてその調査結果も出ているということでございますが、もしお構いなければお届けいただきたいと思います。

 次に、少子化の進行とのかかわりについてであります。

 地方では、少子化に対する対応が既にどんどん進んでいます。保育現場では、コーホート法、センサス換算率からの人口推計をもとに、施設の統廃合、公立から私立への移行、保育士と保育内容の検討などが主なものですが、年次ごとに事細かく、児童数による歳入歳出まで検討項目に入れて協議をし、計画を立てています。

 このように、地方は動きが急であると考えますが、国は、認定こども園の検討の段階で、少子化の実態をどのように制度に反映させてきたのかをお尋ねします。また、今後、少子化推計人口に応じた対応をしていくおつもりかどうかもお尋ねいたします。

 

○銭谷政府参考人 今般の認定こども園につきましては、少子化の進行によりまして子供や兄弟の数が減少する中で、子供の健やかな成長にとって大切な集団活動や異年齢の交流の機会が不足をしていること、一方、都市部を中心に二万人を超える保育所待機児童が存在すること、一方で幼稚園の利用児童はこの十年間で十万人減少しており、既存施設の有効活用による待機児童の解消が求められていること、こういった、少子化を初めとする近年の子供を取り巻く状況を踏まえて検討してきたものでございます。

 これまでの幼稚園、保育所制度の運用や連携では対応が困難な多様なニーズに、地域の実情に応じて柔軟に対応するための新たな選択肢を提供しようとする観点から、今回制度化をしたものでございます。

 今後とも、少子化の動向など、社会の情勢や地域のニーズ等を踏まえまして、必要に応じて適切に対応してまいりたいと考えております。

 

○西本委員 政調の部会での説明にもありましたように、また答弁にもありましたように、地方においては、保育所、幼稚園別々では子供集団が小規模化し、運営も非効率化することを見込んでの認定こども園の設置でありますので、今後も少子化推計人口に応じた対応をしていくおつもりだという答弁を聞き、安心いたしました。

 次の質問に移ります。

 次に、認定こども園で大きな役割を果たすものと期待しているのが、子育て支援機能であります。従来も子育て支援センターは設置されていたのですが、おおむね中心地に一、二カ所程度で、利便性の問題などがあって、やや低調であったと思います。

 ところが、次世代育成支援メニューのニーズ調査では、病後児保育に次いで要望が高かった記憶が残っています。今回の認定こども園に地域子育て支援機能を持たせるということは、お母さんたちにとって心強いものと考えるところですが、実際、どの程度の支援策をお考えでしょうか、お伺いいたします。

 

○馳副大臣 家庭の教育を基盤としながらも、幼稚園や保育所などの施設の機能を活用して、保護者の子育てに対する喜びや理解の向上を図ることが極めて重要と考えております。その上で、認定こども園においても、子育て支援を必須の機能としているところであります。

 具体的には、教育、保育相談事業、親子のつどいの広場事業、一時保育事業、地域の子育て支援に関する情報提供、紹介事業、子育てサークル等の育成支援事業などを考えているものであります。

 

○西本委員 ありがとうございました。

 馳副大臣も実際に子育て中とお聞きしておりますので、副大臣の答弁をお聞きしますと実感が本当にこもります。ありがとうございました。

 次に、認定こども園は幼稚園、保育園、双方の機能を持たせ、子育て支援のメニューつきですので、中身、内容がいいのは保証されていると思いますから、積極的に設置を推進してもらいたいのですが、経営面での問題はいかがでしょうか。運営補助の制度はどの程度になっているのでしょうか、お尋ねいたします。

 

○銭谷政府参考人 認定こども園の認定を受ける施設としては、地域の実情に応じて選択が可能となるよう、四つの類型を考えております。国の財政措置は、子供に対する教育、保育の質の確保の観点から、幼稚園、保育所の認可を受けた施設に対して行うことといたしております。

 まず、幼稚園と保育所の双方の認可を有する幼保連携型、これにつきましては、幼稚園と保育所の双方の補助の組み合わせということになります。

 また、幼稚園が保育所的な機能を備える幼稚園型につきましては、従来どおり、幼稚園の補助制度を活用するということになります。

 また、保育所が幼稚園的な機能を備える保育所型につきましては、従来どおり、保育所の補助制度を活用するということになります。

 最後、四つ目の類型といたしまして、幼稚園、保育所いずれの認可も有しないが、地域の教育、保育施設が認定こども園の機能を果たす地方裁量型というものがございまして、これにつきましては、国の財政措置はなく、地方自治体の一般財源により対応するということを考えております。

 なお、幼稚園と保育所とが一体的に設置される幼保連携型の認定こども園に関しましては、幼稚園や保育所が地域のニーズに柔軟に対応できるように、その幼稚園及び保育所の設置者が学校法人、社会福祉法人のいずれであっても、特例的に経常費及び施設整備費を助成する措置を講じているところでございます。

 

○西本委員 ありがとうございました。

 ちょっと質問が多いものですので、次の質問に移らせていただきます。

 法律案では、附則で、施行後五年を経過した場合において、必要があれば措置するという規定があります。この規定は単なる法規範のスタイルを整えたということではないと思いますが、まず、五年間という経過の意図するものは何なんでしょうか。また、想定される必要な措置があればお伺いいたします。

 

○銭谷政府参考人 今般の法律案につきましては、認定こども園の認定などの規制を創設しておりますので、附則に定める五年の見直しの規定は、法律によりまして新たな制度を創設して規制の新設を行うものについては、当該法律に一定期間経過後、その見直しを行う旨の条項を盛り込むとの平成九年三月の閣議決定を踏まえたものでございます。

 その上で、五年経過後見直しとしているのは、認定こども園は〇歳から就学前までの五年程度の期間の子供の育ちを支える施設でございますので、新たな制度の普及、この定着の状況を踏まえた的確な検証を行うには、五年程度の期間の経過後が適当であると判断をしたものでございます。

 現時点において、具体的な見直しの内容を想定しているわけではございませんが、規制のあり方を含め、制度全般の状況について検証するということになると考えております。

 

○西本委員 次に、認定こども園は保育園でもなく幼稚園でもない第三の施設としての検討もあったと承知していますが、今回の法案では、四類型で保育園、幼稚園の機能を持たせたいわば幼保の連携施設という位置づけであろうかと思います。

 この制度のよしあしは、新しい制度ですので、利用者側、特に子供と家庭、施設側、財政担当側、認定者側などから広く意見を求め、専門的な観点も受け入れ、本年十月からは施設を動かしながら検証する必要があると考えますが、その事務作業はどのようにして行うおつもりでしょうか、お伺いいたします。

 

○銭谷政府参考人 今般の認定こども園制度は、就学前の教育、保育にかかわる新たな仕組みでございますので、その実施後の状況について、的確に把握をし検証していくことは重要であると考えております。

 その際、今般の仕組みは教育と保育の双方にかかわるものでございますので、文部科学省、厚生労働省が協力をして幼保連携推進室といったようなものを設けるなど、緊密な連携のもとにその実施に当たることとしておりまして、制度実施後の状況把握等につきましても、こうした体制のもとで地方自治体とも連携を図りつつ、また、関係者や有識者の方の御意見も伺いながら対応してまいりたいと考えております。

 

○西本委員 私がこの質問の冒頭で述べましたように、地方でも地域のみんなで支え合う地域力、住民力は低下しています。この力の復活に力を与えてくれるものと、希望を持っているのが団塊の世代の登場です。つまり、地域で支えられて育った年代の方が第一線を退き、地域に戻って、まだ余りあるエネルギーを地域活動に使ってもらう、そうすれば生涯各期の活動に連動することは必定であります。就学前の子供たちには、このような地域の環境があって、その上に幼児教育の制度が乗ることが、より効果を上げることにつながるのではないかと考えます。

 大臣はこのような地方の地域力と教育についてどのようなお考えかをお伺いいたしたいと存じます。

 

○小坂国務大臣 御指摘のように、地域で育った世代が、定年退職を迎えてまた地域に戻り、まだ十分に活力のあるその力を地域の教育力の再生に向けて取り組むというのは大変いいアイデアだと思います。社会の宝である子供たちを地域において健やかにはぐくむための教育力を支えるということをみんなでやることが必要でございますが、私どもといたしましては、具体的には地域教育力再生プランという形で十八年度も予算取りをしておりますが、地域の大人たちの連携協力によって子供たちが安全かつ安心して活動できる子どもの居場所づくり推進事業、これを初めといたしまして、ボランティア活動の機会の提供、そして総合型の地域スポーツクラブの育成など、これらを推進していこうと考えております。

 今委員の御提案を受けながら、私も考えておるわけでございますが、以前から私は、塾に通える子供と通えない子供があります、経済的な理由で塾に通えない子供との間に格差ができるということは、やはり好ましいことではございませんので、こういった子供の居場所づくりで、教員OBの皆さんの力をかりながら、補習を行ったり、勉強をしたい子供たちのアドバイザーとしての活動をしていただくような、そういった活動もそこに込めることができたら、これはいいんではないか、このように考えているわけでございますが、今委員の御質問を聞きながら、なるほど、やはり団塊の世代をそうやって活用することがいいんだなということに少し自信を持ったような気がいたしました。ありがとうございました。

 

○西本委員 先ほど冒頭の私の質問に対しての小坂大臣の答弁を聞いておりまして、私もこいのぼりの話をお伺いしたとき、ちょっと目頭がうるるんとなりました。私も団塊の世代ですけれども、団塊の世代の方は郷愁感をたくさん持っていると思いますので、そういう意味でも、先ほど小坂大臣が述べられましたいろいろなプランの推進に御尽力をいただきたいと思いまして、質問を終わらせていただきます。

 どうもありがとうございました。

 

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164--決算行政監視委員会第二分科会2平成180606

 

○西本分科員 自由民主党の西本勝子でございます。

 お許しをいただきましたので、平成十六年度の決算に関しまして、自衛隊の国際平和協力に関して幾つかの質問をさせていただきます。

 自衛隊は、発足以来、我が国の防衛と国土の保全という崇高な使命感を持ち、隊員は昼夜を分かたず任務を遂行してきたのであります。私も、そのような隊員の任務遂行に感銘を受け、地元の防衛協会に入会し、また、その御縁で、自衛隊募集相談員もさせていただきました。

 今回、この質問をするきっかけになりましたのは、自衛隊募集相談員として、ある御父兄の御相談を受けました。その御父兄のお子様が、自分から志願してイラクへ派兵するということを言ったそうです。お母様は、あんな危険な場所へわざわざ自分から志願して、うちの息子は本当にばかだと言っておりました。私も、お母様の心情を察して、何とか無事帰還することを願った次第でございます。

 話をもとに戻します。

 自衛隊の過去を振り返ってみますと、昭和三十年代の安保闘争や反戦運動など、学生や職域を巻き込んだ運動の中で、あたかも自衛隊が憲法違反の存在のように扱われたこともありました。その後も冷戦時代は続き、国家対国家の軍事対立の中で、自衛隊は純然たる国防を専らの任務としていたのですが、冷戦が終わり、大国対立のバランスによる抑止力はなくなり、新たな脅威として、民族、宗教、領土などが起因する対立から生じる地域紛争や、ならず者国家の台頭が大きく広がってきました。これらには、従来から国家が持っている抑止の概念が機能しなくて、新たな脅威への対応として、国連を中心とした国際任務が自衛隊に加わってきたと思います。

 こういう情勢にあって、日本は、平成四年に国際平和協力法、いわゆるPKO法を制定し、国際的な安全保障環境を改善するため、PKO活動として、カンボジア、モザンビーク、ゴラン高原、東ティモールに派遣し、平成十三年度制定のテロ対策特措法、平成十五年度制定のイラク人道復興特措法により、自衛隊員の派遣人員をさらに拡大し、国際社会の一員として積極的に取り組んできています。

 また、この間には、大規模な災害が発生したことから、国際緊急援助活動として各地の災害救助にも自衛隊を派遣してきており、日本の活躍が報道されるたびに、その奮闘をたたえ、隊員の安全を祈り、無事の帰国を祈っている私でありますが、ともあれ、国際的な貢献があらわれるようになり、多くの国民にも理解されてきていることは、大変喜ばしいことだと思っております。

 このような海外派遣の自衛隊の活動経費のうち、平成十六年度一般会計予備費で支出されたものについてお伺いいたします。

 当該年度予備費使用額一千百七億二千七百四十一万九千円のうち、国際協力支援に関するものが、外務省分五百三億二千四百万円分を含めて七百九億八千三百三十万円で、約六四%を占めております。

 これらは、当初予見し得なかった事態の発生に対する必要な経費であり、また、我が国の国益にかなうものとして異論はないのですが、ただ、平成二年の湾岸危機において、我が国が百三十億ドルに及ぶ財政支援をしたにもかかわらず、クウェート政府からの謝意もなく、国際的にも評価されなかった苦い経験もあることから、あえてお聞きいたします。

 防衛庁分二百六億五千九百万円でありますが、このうち、まず、国際的テロリズムの防止及び根絶のための国際社会の取り組みに寄与する自衛隊の活動費九十億七千二百八十一万九千円です。活動内容は、テロ対策特措法での基本計画では、協力支援活動と捜索救助活動、被災民救援活動となっていますが、実質のところ、インド洋上での米軍などの艦船への燃料提供ということは伝わっているのですが、他の捜索活動や被災民救援活動はどうなっているのでしょうか。お答えをお願いいたします。

    〔主査退席、今津主査代理着席〕

 

○山崎政府参考人 お答えいたします。

 捜査救助活動というのは、先生御案内のように、自衛隊の部隊等が、遭難をした戦闘参加者等を発見し、かかる遭難者の捜査救助について他国から依頼があった場合に実施することとされておりますが、この場合の捜査救助活動の実績はございません。

 それからまた、被災民救援活動でございますが、これは、テロ支援の活動が始まりました初期、平成十三年十一月から十二月の間に、国連の難民高等弁務官事務所、UNHCRと称してございますが、ここからの要請に基づきまして、パキスタンの領域内に、被災民の救援のためのテント、毛布等、生活関連物資を、掃海母艦の「うらが」、護衛艦の「さわぎり」が随伴をいたしましたが、これが輸送してパキスタンまで運んだという実績がございます。

 それから、協力支援活動につきましては、先生十分御承知のように、インド洋において活動しております関係国に対して燃料の補給をしておりますが、累積で、艦船用の燃料は約四十四万キロリットル、約百八十五億円分を供与しております。

 以上でございます。

 

○西本分科員 ありがとうございました。

 テロの海上防止活動を各国が行うことへの日本の支援活動は、私は大切な任務であると思います。先ほど御答弁いただきましたインド洋での日本の燃料補給技術も高く評価されているようですので、今後とも、気を緩めず任務を遂行してほしいと考えております。

 次の質問に移らせていただきます。

 次は、イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の経費九十八億九千八百五十八万四千円でございます。基本計画では、人道復興支援活動を、陸自が中心に、医療支援、給水、配水活動、学校、道路整備を行い、安全確保支援では、多国籍軍の治安維持活動の支援として輸送、補給を行うとあります。

 イラクでの人道復興支援活動状況は随時によく伝わってくるのでありますが、安全確保支援活動については情報が少ないと思います。どのような活動になっているのでしょうか。また、我々にとって何とも心配なのが、サマワ周辺の治安であります。隊員の安全はどのように確保されているのか、お伺いいたします。

 

○山崎政府参考人 お答え申し上げます。

 人道復興支援活動については、先生よく御承知のように、陸上自衛隊が中心に、建物、道路の補修等あるいは医療支援等行っておりますが、安全確保支援活動は、主として航空自衛隊の航空輸送によりまして行われております。これは、安全確保を主任務としております関係各国あるいは関係機関の人員、物資の輸送を実施しているものでございます。

 具体的には、平成十六年三月以降、クウェート国内の飛行場からイラク国内の飛行場施設との間で、我が国からの人道復興関連支援物資、あるいは関係各国、関係機関等の物資、人員、陸自部隊の人員、生活関連物資その他の補給物資を輸送しておりまして、現在、計三百二十二回、輸送物資総量は約四百四十九・二トンでございます。

 そのほか、陸上自衛隊が、やはりこれも活動の初期でございますが、当時駐留をしておりましたサマワに、オランダ軍への給水、それから負傷をしました韓国軍兵士の輸送を実施したという実例がございます。

 以上でございます。

 

○西本分科員 多国籍軍とのいろいろと協力もあるようでございますが、活動エリアが広くなりますと、どうしても警備面で心配な状況も発生しますので、特に他国との連携を密にして、十二分な安全を確保していただきたいと願うところであります。

 次の質問に移らせていただきます。

 次は、スマトラ沖大地震及びインド洋津波による被災国の救援の経費十六億八千七百六十六万二千円です。これは未曾有の津波大災害だったわけで、外務省の援助、協力金と合わせて五百二十億を超える額となっているのですが、自衛隊の主な活動はどのようなものであったのか、お尋ねいたします。

 

○山崎政府参考人 失礼いたしました、先ほど答弁漏れがございましたので、簡単に補足をさせていただきたいと思います。

 サマワにおきます治安情勢等に関しまして、どのような安全確保を行っているかということでございますが、当然、安全確保に必要な装備を携行しておりますし、事前に十分な訓練を実施するほか、宿営地内外において各種安全確保施策を実施しております。例えば、耐弾性施設の整備でございます。

 これら等によりまして、自衛隊はみずからの安全を確保してきておりますが、そのほかに、さらに万全を期すために英豪軍等と緊密な意見交換や治安に関する情報収集を実施しておりまして、十分な安全確保を施しているというふうに考えております。

 それから、今先生御質問のスマトラ沖の地震の関係でございますが、平成十六年十二月の二十六日に発生をいたしまして、インドネシア共和国に対して、まず国際緊急援助活動を行いました。平成十七年一月六日以降、航空自衛隊の派遣部隊を筆頭に、陸海空自衛隊の派遣部隊約千人を派遣いたしまして、航空輸送、海上輸送、あるいは医療、防疫といった国際緊急援助を精力的に実施いたしました。

 その活動の実績は、物資等約四百トン、それから人員約二千百名の輸送、あるいは医療につきましては、診療数六千十三名等、それから防疫につきましては、東京ドームのグラウンド面積の約十倍に当たります十三万三千八百平方メートルを防疫いたしました。

 タイにおきます国際緊急援助につきましては、自衛艦三隻によりまして御遺体を五十七体収容するほか、本邦から派遣をされました国際緊急援助隊救助チーム、このチームと機材を搭載ヘリによりましてカオラックから被災地のピピ島まで空輸をした実績がございます。

 以上でございます。

 

○西本分科員 自衛隊の海外の大規模な救助活動には、私は、どうしてもJICAなどの民間の助けが必要だと思っておりますので、民間の組織との連絡を密にし、そして、かつて非難されておりましたお金だけじゃなくて、災害救助として大きな成果が上がっている、国際緊急救助は人も出し、お金も出すという姿勢で今後ともお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

 次の質問に移らせていただきます。

 私は、平時以外の国際平和協力活動は、紛争時を自衛隊が受け持ち、紛争後の人道援助や復興支援は文民警察が中心となり、ODA予算のもと、JICAやNGOなど、相互の連携によって、平和が定着する国づくりを見守るという道筋がいいのではないかと思っております。

 現状では、イラク人道復興支援において、自衛隊とODAの連携はどうなっているのか、お伺いいたします。

 

○山崎政府参考人 原則を申し上げますと、自衛隊とODAというのは、相互に補完をしつつ、現地の復興に貢献をしているというふうに考えてございます。

 具体的には、まず、我が国のODAによる資金協力等と連携をして、我が方自衛隊としては、医療あるいは公共施設の復興整備を中心に、事業活動を中心に実施をしているところでございます。

 さらに具体的に申し上げますと、ムサンナ県におきますODAの支援態勢でございますが、まず、外務省のサマワ事務所が自衛隊の宿営地に所在をしておりまして、これにつきまして、サマワ事務所が案件の形成や調整を実施するに当たりまして、陸上自衛隊の方は、そのための現地機関等からの支援要請とか復興支援に関する各種情報を伝達して、お役に立つような仕組みとなっております。

 そのほか、具体的には、例えば、一種の役割分担として、ODAが無償資金によりまして機材の供与を行いまして、それに基づきまして陸上自衛隊が事業を展開するという、大まかに言えば役割分担をしております。例を挙げますと、例えば、陸上自衛隊が改修した道路をODAによりましてアスファルト舗装するとか、あるいは、ODAにより供与された医療器材、この使用方法を陸上自衛隊の医官が現地のイラク人医師等に対して指導をする等、大まかに言えばそういう役割分担で、相ともにサマワにおける人道復興支援に役立っているのではないかというふうに考えております。

 以上でございます。

 

○西本分科員 ありがとうございました。

 まずは、国の機関同士であります自衛隊の活動とODAの活動が一体となって人道救助や復興支援に当たっている状況をお聞きいたしまして、イラクではみんなが頑張っているんだなと感激をいたしております。

 次の質問に移らせていただきます。

 イラク人道復興支援、テロ対策活動、国際緊急援助隊と、三区分に分けて、平成十六年度予備費における予算執行の内容をお伺いしましたが、それぞれの支援活動の実施の効果と国際的な評価はどうであったかをお尋ねいたします。

 

○山崎政府参考人 まず、イラクの人道復興支援活動でございます。

 これにつきましては、先生御案内のように、陸上自衛隊は、給水あるいは公共施設の復旧整備等を行っております。例えば、道路の補修は、現在二十七カ所の道路補修を実施しておりまして、二カ所の補修を実施中。あるいは、医療等につきましては、先ほど申し上げましたように、サマワの総合病院など大きな四病院につきまして、医療支援のための技術指導等を行っているところでございます。

 そういう結果として、一つ、一番顕著な例として私どもよく例を挙げておりますのは、二〇〇五年の上半期のサマワ母子病院におきます新生児の死亡率が、二〇〇二年上半期に比べまして約三分の一に減少するなど、相当顕著な改善が見られてきております。

 こういうイラクにおける活動につきましては、当然、イラクの方のみならず、米国、国連等からも高い評価を得ておりまして、例えば、イラク移行政府首相のジャファリ首相でございますが、この方は、サマワ訪問時に、日本は我々同様戦後復興の歴史を歩んでおり、その経験を踏まえて事業を行ってくれている、かかる日本の努力に深く感謝をするというふうに、日本について評価をしていただいております。

 また、テロ特措法に基づく協力支援活動につきましては、先ほど来申し上げているように、各国の海上阻止活動を行っております艦船に油等の補給支援を行っておりますが、この結果として、非常に海上阻止行動の効率的な実施を可能にしている。当然、単純な話でございますが、補給のために港に帰るという時間の省略ができるということでございますが、この結果、非常にテロ行為等を抑止しているという効果が出てきているものと考えております。

 抑止というのは、やはり活動自体を抑制するものですから、それを数字であらわすのはなかなか難しいのでございますけれども、海上におきましてそういう活動をしているということ自体が、テロリストあるいはテロ活動を抑止しているのではないかというふうに考えております。もう少し具体的には、例えば武器とか麻薬等の押収といった実績も挙げられております。

 これにつきましても、例えば、アフガニスタンのカルザイ大統領も、日本が行ってきたこの三年間の努力に感謝しておる、インド洋上での給油支援に大変感謝しているという言葉をいただいておりますし、米国のブッシュ大統領からも、イラク、アフガニスタンにおける日本の支援に深く感謝するという評価をいただいているところでございます。

 インドネシア・スマトラ島沖地震につきましては、先ほど実績を申し上げましたけれども、約千名から成る人員を派遣しまして、約三カ月間にわたり、輸送及び医療、防疫活動を実施して、やはりこれも、インドネシア側から感謝の言葉をいただいております。

 こういう活動によりまして、今後とも、防衛庁と自衛隊といたしましては、国際貢献を行っていきたいというふうに考えております。

 以上でございます。

 

○西本分科員 ありがとうございました。

 やはり国連またはイラクから感謝されるということは本当にうれしい限りです。日本は軍事行動には参加できませんが、その他の支援活動はできますので、今後とも、海外でも日本の顔が見えるような支援活動をしていただきたいと思います。

 次に、戦後の日本には根強い平和主義が定着しています。それは、島国的平和と申しますか、日米安全保障のもとでの受け身的な平和を主張しているのであって、現下の情勢にあっては、平和の探求として不十分だと私は思います。

 自国の安全のためにも、世界的な平和協力活動に参加することは、国益であり、独立国家の責務と考えますが、PKO法により我が国が派遣している人数は、ここ五年の推移を見ましても、一番多い平成十五年が六百八十人、世界で十六番目であり、平成十七年、平成十八年度はゴラン高原の国連兵力引き離し監視隊の三十人で、世界で七十七番目となっています。

 PKOに対する人員派遣が世界各国から著しく少ないその理由は何であり、この派遣状況を、国際貢献という視点からどうお考えになるでしょうか。お答えをお願いいたします。

 

○樽井政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のように、平成四年、国際平和協力法が制定されまして以降、延べでございますけれども、自衛官五千三百九十九名、それから、それを含みます要員五千六百四十人をPKOに派遣いたしております。

 ふなれな中で、我が国としても、先生御指摘のとおりでございまして、一生懸命努力してこれだけの人数を積み重ねてきたという状況がございますけれども、現在は、たまたま東ティモールが終わりましたものですから、ゴラン高原だけで四十五名という人数でございます。

 私どもも、やはり積極的にPKOには参加していくべきであろうというふうに考えておりますので、今後とも、先生方、それから国民の御理解と御支援をいただきながら、積極的に努力してまいりたいというふうに思います。よろしくお願いを申し上げたいと思います。

 

○西本分科員 ありがとうございました。

 ある方にお聞きしますと、いろいろなミッションに日本が割り込んでいくことは無理があると考えますとおっしゃっていました。やはり他国では外貨を稼ぐ意味もあるので、日本が割り込んでいけない理由もあると聞いておりますが、日本でしかできないミッションもあろうかと思いますので、どうか御検討いただきたいと思います。

 次の質問に移らせていただきます。

 PKO法につきましては、制定時において激しい議論を重ねましたが、憲法九条との関係で、我が国が武力行使をしないことに加え、他国の武力行使と一体化しない、つまり多国籍軍への協力をしないことを前提として参加五原則がありますが、PKO活動の中には、文民警察や文民の専門家で対応できる分野として、選挙監視や復興支援、医療支援、難民救援活動などがあります。

 日本が国際的責任を果たすためには、PKO活動の参加の規制を緩めた方がいいと私は思っておりますが、文民の派遣について、PKO参加五原則はどのように規制がかかっているとお考えでしょうか。お願いします。

 

○樽井政府参考人 ただいま御指摘いただきましたように、国際平和協力法におきましては、人道的な国際救援活動、それから国際的な選挙監視活動、こういった協力のために文民が派遣されますけれども、いわゆる参加五原則が適用されております。

 この問題につきまして、実は、平成十四年、国際平和協力懇談会の提言にもございまして、やはり文民につきましては五原則の適用を除外すべきではないかという御提言もいただいておりますし、国会でもたびたび同様の御議論をいただいておりますので、今後の課題として積極的に検討させていただきたいと思います。

 

○西本分科員 ありがとうございました。

 私は、文民の派遣には、時と場合によっては特例があってもいいのではないかと思っておりますが、今後の課題として取り上げていただくという御答弁がございましたので、どうかよろしくお願いいたします。

 次に、最後の質問になりますが、自衛隊派遣についてるるお伺いいたしましたが、御承知のとおり、各派遣とも、法律の定めに従って活動するわけですが、それぞれ、PKO、イラク、テロ、三法案とも、制定の経緯と目的、制定の時期、活動の制約が違っていますが、現在まで派遣活動を実施した中で、根拠法と現地活動の内容で支障が生じているのではないかと心配しております。

 派遣された場合は、もちろん法を遵守し、厳格な規律により活動していると思いますが、現行法の解釈で上官が判断に迷うこともあるのではないでしょうか。

 我が国の現行法上、国際平和協力について統制されているかという問題があります。大規模災害に対する国際緊急援助派遣法は、被災国の要請で派遣することから個別の一般法でいいのですが、国連決議による派遣について、PKO法、テロ対策特措法、イラク人道復興支援特措法の三法案は、派遣要件、活動内容などに違いがあり、かつ、テロ、イラクは特別措置法であることもあって、このままの法体系で、今後発生する国際的な諸問題に対応できるのか、心配でございます。

 我が国の平和と繁栄が国際社会の平和と安全に深くかかわっている現状からも、我が国の国益にとって、世界との相互依存関係を強めることが重要であるということは、言うまでもないことだと思っております。そのための国際平和協力活動への自衛隊の派遣について、一般法で整理することが必要と考えますが、防衛長官のお考えをお伺いいたします。

 

 

○西本分科員 今長官のお考えをお聞きいたしまして、私も同じ考えでございます。どうか、日本の安全のために、そして世界の平和協力のために一生懸命御尽力していただきたいことをお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

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